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新コロナ治療薬の開発の現状は(7月-10月)

塩野義ワクチン年内実用化へ3千人規模の治験

コロナ治療薬ではないが、国内のワクチンが年内に実用化の目途が立った。塩野義製薬は10月21日に開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を20日から開始した。臨床試験規模として3千人で、8月から日本人の成人60人を対象に治験を開始。安全性、有効性を確認できたため次の段階に移行する。
今回の治験では高齢者や過去に新型コロナに感染した人、他社のワクチンを接種済みの人も対象となる。
ワクチンを2回接種し、ウイルスの働きを抑える「中和抗体」の数値の上昇や安全性を検証する。
実用化後に年最大6千万人分(1億2千万回分)の供給を予定している。

飲むコロナ治療薬は重症化リスク半減(メルク社)

アメリカの製薬大手「メルク社」は10月1日に、開発していた新型コロナウイルスの飲む治療薬が重症化リスクを半減させたとする臨床試験の結果を発表しました。
メルク は新型ウイルスの飲む治療薬「モルヌピラビル」の最終段階の臨床試験の中間分析結果を発表しました。
それによりますと、軽症または中程度の新型ウイルス患者が入院したり死亡したりする重症化リスクを約50%減少させたということです。 メルクはアメリカのFDA(=食品医薬品局)に緊急使用許可を申請するとしていて、承認されれば新型ウイルスの飲む治療薬として、世界初となる可能性があります。臨床試験は日本を含む世界各国170の施設で行われていて、各国の規制当局にも承認を求める方針だということです。 メルク は年内に1000万人分の治療薬を生産する予定だとしています。

コロナ治療薬は最終段階の治験(塩野義製薬)

2021年9月30日

9月29日に記者会見を開いた塩野義製薬(手代木功社長)は「ワクチンや診断、治療薬が急速に進歩している。経済的で簡便にお飲みいただける経口薬は最後の1ピースだ」と述べた。

9月27日から既に「最終段階の治験」で医療機関だけでなく、待機中のコロナ患者も対象として国内の約2千人を対象に治験を行い、今年度中も目標に実用化の申請準備を進めている。

*塩野義製薬のコロナ治療薬は軽症や無症状の患者向けで1日1回、5日間継続服用のタイプになります。
 治療薬の開発はコロナ治療だけでなく、早期の日本経済の復旧にも効果があるとして期待されています。

塩野義製薬、製剤見直しは、抗体価上がらず、株価下がる

軽症者向け新治療薬「ソトロビマブ」今月9月末にも特例承認へ 厚労省

英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)が開発したコロナ治療薬「ソトロビマブ」ですが9月末にも特例承認する方針を決めた。(厚労省)
今月下旬に開く専門部会で審議し、了承されれば速やかに承認する方向だ。
軽症や中等症の患者向けの薬としては国内で2例目となる。

感染防御に働く中和抗体を点滴で投与する薬で、酸素投与を必要としない軽症・中等症の患者のうち、重症化リスクが高い患者が対象となる。
GSKによると、海外で約1000人が参加した臨床試験で、入院や死亡を79%減らす効果が確認されたという。
インド由来で感染力が高いデルタ株などの変異株に対して一定の効果を示す可能性もあるという。米国では緊急使用許可を得ており、GSKは6日、厚労省に国内での製造販売の承認を申請した。  

軽症・中等症患者向けの治療薬は、2種類の中和抗体「カシリビマブ」と「イムデビマブ」を組み合わせた「抗体カクテル療法」と呼ばれる中外製薬の「ロナプリーブ」がある。

「光でコロナ治療…LED照らしたらデルタ株99.9%消えた」 

2021年9月7日

新型コロナ向けにワクチンや治療薬の開発が急がれているが、LEDの光を利用した方法で、新型コロナウイルスを治療する治療法が開発中だと米経済誌フォーブスが報じた。

9月1日、フォーブスによると、米ノースカロライナ州の医療機器メーカーのエミットバイオ(EmitBio)が発光ダイオード(LED)の光で人の気道の組織にあるデルタ株99.9%を除去したと報告した。
報道によると、エミットバイオのニール・ハンター代表は以下のように話した。
「光だけでコロナ患者を治療すると言えば、大手製薬会社や政府機関は信じられないだろう」
「しかし、31人を対象に、呼吸器細胞の3日間、LEDの光を5分ずつ1日2回照らしたところ、デルタ株がすべて消えた」

エミットバイオのニール・ハンター代表の説明では、
「LEDは、特定の周波数だけを選んで使用する」とし、「患者の鼻の奥やのどにLEDの光を当てると、ウイルスを殺し、免疫反応を促進する」と説明した。
また、「特に軽症患者に効果的」とし「LED治療は自宅でも十分に受けることができる」と述べた。
エミットバイオはLEDが2つのルートによりウイルスを退治が出来ると説明した。

第一に、ウイルスに直接作用して複製を防ぐことで、第二に、LEDの光が人体で窒素酸化の生産を促進することだ。
サンディエゴにあるカリフォルニア大学の伝染病およびグローバル公衆衛生学長のデイビー・スミス教授は、このような主張について「可能な方法」とし、「上気道でウイルスをなくせば、患者の状態が好転し得る」と述べた。

参考:LED光でコロナ治療、照射によりデルタ株99.9%が消失

2021年8月3日

塩野義製薬は2日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの開発の変更したと発表した。
従来の製剤では十分な抗体反応が見込めず、効果を高めるアジュバント(免疫増強剤)を変えて再開発する。
今月、追加の臨床試験を開始する。最終段階の臨床試験を年内に始め、年度内の実用化を目指す。これまで最短で年内供給開始も可能としていたが、遅れる見通しになった。

 手代木功社長は今年5月の時点では、国内向けワクチンとして「条件付き早期承認」のような特例が認められれば、年内の供給開始が可能との見通しを示していた。ベトナムでの生産も視野に入れ、同国政府と協議中。

塩野義、コロナ治療薬承認申請へ 年内にも、飲み薬タイプ

2021年8月6日

 塩野義製薬が開発中の新型コロナウイルス治療薬を年内申請スケジュールにて厚生労働省への条件付き早期承認を目指していることが6日分かった。飲み薬タイプで自宅でも服用が可能で軽症や中等症患者の重症化を防ぐ効果が見込まれる。実用化の時期は未定としている。

 塩野義は7月に新型コロナ治療薬の臨床試験(治験)を開始。ウイルスの増殖を抑制することで病状の悪化を防ぐ。国内で軽症者向けのコロナ治療薬は現在、点滴薬だけで飲み薬はない。実用化されれば、医療体制の逼迫を抑えることも期待される。

海外供給も検討し、米国の生物医学先端研究開発局と協議を進めている。

塩野義製薬、コロナ治療薬の臨床試験に着手

2021年7月28日

塩野義製薬はコロナ治療薬の臨床試験を開始した。今回の治療薬については、新型コロナウイルスを攻撃するよう設計されたものだと述べた。また、1日1回の服用とすることで利便性を高めたという。今月開始した臨床試験は来年まで続く見込みで、副作用などを確認する。

ファイザーやメルクも同様に服用タイプの治療薬の開発が先行しているが、ファイザー製は1日2回の服用タイプであるが、早ければ年々の発売となる。

塩野義製薬のは開発が遅れてはいるが、1日1回の服用で、服用から5日後にウィルスの中和を狙うものとして期待されている。

塩野義製薬 開発中のコロナ治療薬 初期段階の臨床試験開始(7/26)

2021年7月26日

塩野義製薬」は、開発を進めてきた新型コロナウイルスの治療薬を7月22日から初期段階の臨床試験に入ったこと発表しました。臨床試験を通して安全性などを確認することにしています。
*臨床試験はヒトを対象に使用し有効性や安全性を確認する試験です。

この段階の臨床試験は、20歳から55歳までの健康な成人男性75人を対象に実施し、安全性などを確認することにしています。

この治療薬を早い段階でこの治療薬を使えばウイルスの増殖や重症化を防ぐ効果が期待できるとしています。

開発が進められている治療薬は飲み薬で、実用化されれば、点滴などに比べて簡単に使用できるメリットがあります。

塩野義製薬は「発症を予防するワクチンだけではなく、感染した場合に症状を抑えるための治療薬も求められている。社会や医療現場の求めに応えていきたい」とコメントしています。

新型コロナウイルスの重症化を防ぐための飲み薬をめぐっては、アメリカの製薬大手・メルクが最終段階の臨床試験を行うなど海外でも開発が進められています。

参考:国内で承認されている新型コロナウィルス治療薬と治験中の主な治療薬

参考:国内で承認されている新型コロナウィルス治療薬と治験中の主な治療薬

中外製薬 新型コロナ「抗体カクテル療法」7月19日承認可否判断へ(7/13)

2021年7月13日

中外製薬が承認申請した「抗体カクテル療法」と呼ばれる新型コロナウイルスの治療法について、厚生労働省は7月19日に承認の可否を判断することを決めました。

承認審査が行われるのは、6月末に新型コロナウイルスの治療薬として中外製薬が承認申請した「カシリビマブ」と「イムデビマブ」です。

同時に投与することで、2種類の抗体が作用してウイルスの働きを抑える「抗体カクテル療法」という治療法で、2020年11月にアメリカのFDA=食品医薬品局から緊急使用の許可を受けています。

アメリカのトランプ前大統領が入院した際にも投与され、中外製薬によりますと、海外で行われた治験では入院や死亡のリスクをおよそ70%減らす効果が確認されているということです。

中外製薬は、審査の手続きを大幅に簡略化する「特例承認」を求めていて、厚生労働省は7月19日に専門家部会を開いて承認の可否を判断することを決めました。

承認されれば、新型コロナウイルスの治療薬としては、レムデシビルとデキサメタゾン、それにバリシチニブに続いて4例目となります。

WHO 新たなコロナ治療薬推奨 日本で開発の「アクテムラ」など(7/7)

2021年7月7日

WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスの重症患者に対して、日本で開発された関節リウマチの治療薬「アクテムラ」などの投与を推奨するとする新たな手引きを公表しました。

WHOは7月6日、イギリスの大学などとともに合わせて1万人余りを対象に行った、新型コロナウイルスの治療薬に関する臨床試験の結果を公表しました。

それによりますと、重症患者に対して関節リウマチの治療薬「アクテムラ=一般名・トシリズマブ」や、同じ仕組みの「サリルマブ」のいずれかを「デキサメタゾン」のようなステロイド剤と合わせて投与した場合、一般的な治療を行った場合に比べ、死亡するリスクが減少したということです。

WHOは、これまで新型コロナウイルスの重症患者には「デキサメタゾン」などのステロイド剤が効果が見られるとしてきましたが、今回の結果を受けて「アクテムラ」や「サリルマブ」も推奨するとする、新たな手引きを公表しました。

「アクテムラ」は、大阪大学の岸本忠三特任教授らのグループと中外製薬が開発した関節リウマチの薬で、免疫の過剰な働きによる炎症を抑える効果があると期待されています。

カシリビマブに関する?

中和抗体カクテル REGN-COV2 による COVID-19 外来患者の治療

(抜粋・要約)
◇背 景
最近のデータから,COVID-19による合併症および死亡はウイルス量が高いことと関連している可能性が考えられる。
そこで,ウイルス量を低減することにより臨床的ベネフィットが得られるという仮説を立てた。REGN-COV2は,SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)Aを標的とする2種のヒトIgG1中和抗体のカクテルであり,ACE2B受容体を介してウイルスがヒト細胞に侵入することを阻害する。
さらに,すべての患者について,既にSARS-CoV-2に対する抗体を有しているか否かスクリーニングし,試験登録時に血清抗体陽性であったか陰性であったかで層別して解析した。

◇方 法
♢試験デザインと対象患者
COVID-19の非入院患者Cを対象とした進行中の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第I/II/III相試験において,SARS-CoV-2スパイクタンパク質に対する2種の完全ヒト型モノクローナル中和抗体(カシリビマブとイムデビマブ)を評価したD。これらの抗体は,治療抵抗性変異ウイルスの出現リスクを下げるために混合カクテル(REGN-COV2)として用いた。すべての患者をプラセボ投与群,REGN-COV2を2.4 g投与する群(低用量群),REGN-COV2を8.0 g投与する群(高用量群)のいずれかに1:1:1の割合で無作為に割り付けた。
すべての患者についてSARS-CoV-2抗体検査を行ったE。解析ではまず,血清抗体陰性であった患者サブグループ,すなわち3種の抗体(スパイクタンパク質のS1サブユニットに対するIgA抗体とIgG抗体,およびヌクレオカプシドタンパク質に対するIgG抗体)すべてについて検査で陰性であった患者について有効性を評価した。これらの抗体のいずれか1つでも陽性であった患者は,血清抗体陽性とした。

♢エンドポイント
SARS-CoV-2に対する内因性の免疫応答について(血清抗体陽性か,血清抗体陰性か),ベースライン時に前向きに調査した。ウイルス学的主要エンドポイントは,ベースライン(Day-1)からDay-7までのウイルス量の時間荷重平均変化量(血清抗体陰性患者から採取した鼻咽頭ぬぐい液検体を定量的RT-PCRで測定)とした。他のウイルス学的エンドポイントとして,ベースラインから試験期間中のさまざまな時点までのウイルス量の変化を,また,事後のウイルス学的エンドポイントとして,ウイルス絶対量の変化も測定した。臨床的主要エンドポイントは,Day-29までに少なくとも1回COVID-19関連で医療機関を受診した患者の割合とした。安全性は全患者について評価した。
安全性評価については,観察期間中に発現または悪化した有害事象(グレード3および4,第I相のみ),観察期間中に発現または悪化した重篤有害事象(第I/II相),および特に注目すべき有害事象Fであるグレード2以上の過敏反応または注入関連反応(第I/II相)に関するデータを収集した。

◇結 果
♢患者のベースライン特性
患者275人Gが,高用量REGN-COV2投与群(90人),低用量REGN-COV2投与群(92人),プラセボ群(93人)に無作為に割り付けられた。試験集団の年齢の中央値は44.0歳,49%は男性,13%は黒人またはアフリカ系アメリカ人,56%はヒスパニックまたはラティーノであった。COVID-19症状発現から無作為化までの日数の中央値は3.0日であった。ベースライン時に,123人(45%)は血清抗体陽性,113人(41%)は血清抗体陰性,39人(14%)は抗体保有状況が不明であった。

♢病状経過
ベースラインのウイルス量の中央値と平均値はそれぞれ,血清抗体陰性患者で7.18 log10 copies/mL,6.60log10 copies/mL,血清抗体陽性患者で3.49 log10 copies/mL,3.30 log10 copies/mLであった。血清抗体陽性サブグループの患者は,血清抗体陰性サブグループの患者に比べ,ウイルス量がかなり低くなっており,医療機関を受診する割合も低かった。

♢ウイルス学的有効性
Day-1からDay-7までのウイルス量の時間荷重平均変化の最小二乗平均差(複合REGN-COV2群Hvs.プラセボ群)は,ベースライン時に血清抗体陰性であった患者群では−0.56 log10 copies/mL(95%CII[−1.02~−0.11])でありJ
,試験集団全体では−0.41 log10 copies/mL(95%CI[−0.71~−0.10])であった。

♢臨床的有効性
試験集団全体では,プラセボ群の93人中6人(6%),複合REGN-COV2群の182人中6人(3%)が医療機関を受診しており,ベースライン時に血清抗体陰性であった患者では,プラセボ群の15%,複合REGN-COV2群の6%であった(プラセボ群に対する絶対差:−9%ポイント;95%CI[−29~11])。

♢安全性
過敏反応,注入関連反応,その他の有害事象のあった患者の割合は,複合REGN-COV2群とプラセボ群で同等であった。

◇考 察
♢本研究の限界
今回の暫定的解析についての重要な限界は,抗体保有状況にもとづく解析は予め規定していたものの,第一種過誤(type I error)を制御するための正式な仮説検証を実施しなかったことである。さらに,ベースラインのウイルス量にもとづく解析は事後解析として実施した。したがって,これらの結果は,進行中の本試験における次回の解析で厳密に検証すべきである。


◇結 論
今回の中間解析で,REGN-COV2抗体カクテルはウイルス量を減少させ,免疫応答がまだ開始されていない患者やベースライン時にウイルス量が高かった患者に大きな効果をもたらすことが示された。安全性アウトカムは,複合REGN-COV2抗体カクテル群とプラセボ群で同等であった。

参考:REGN-COV2, a Neutralizing Antibody Cocktail, in Outpatients with Covid-1